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ROPC フローが非推奨の理由

ROPC (Resource Owner Password Credentials) フローは、ユーザーのユーザー名とパスワードを直接アプリケーションに渡し、それを使ってトークンを取得する認証方法です。かつては一部のシナリオで利用されていましたが、現在では以下のような理由から非推奨とされています。

目次

ROPC フローが非推奨となっている理由

セキュリティリスクが高い

ROPC フローでは、クライアントアプリケーションがユーザーのパスワードを知る必要があります。そのため、アプリケーションコード内やログ、メモリ上にパスワードが露出しやすくなり、盗まれた場合に不正アクセスのリスクが増加します。

多要素認証 (MFA) 対応が難しい

現在のセキュリティ標準として MFA が必須になりつつありますが、ROPC フローは基本的にユーザー名とパスワードだけを用いるため、MFA との統合が困難です。結果として、MFA を必須とするポリシーやセキュリティ強化策との整合性が取れません。

デバイスや環境に依存した認証が困難

ROPC フローはユーザーのパスワードを毎回要求するため、デバイス登録状況や信頼できるエンドポイントなど、利用状況に応じた柔軟な認証ポリシーが適用しにくくなります。

パスワード管理における負担増加

開発者や運用者はアプリケーションがパスワードを扱うことに伴う責任が増え、パスワードの安全な保管方法、定期的なローテーション、漏えい検知など、追加のセキュリティ対策が必要になります。

新しいセキュリティスタンダードとの不整合

OAuth 2.0 や OpenID Connect の現行ベストプラクティスでは、パスワードを直接扱うフローは避け、Authorization Code Flow や Device Code Flow、PKCE (Proof Key for Code Exchange) などを使ったより安全なフローを推奨しています。

まとめ

これらの理由から、ROPC フローはセキュリティ上の懸念が大きく、現在は非推奨となっています。代替として、より安全な認証フロー(デバイスコードフローやインタラクティブな認証フロー、あるいはマネージド ID、証明書認証など)が推奨されています。

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